2022年9月の旅行記です。大学四年生の夏休みの大冒険。
この日はエクアドルの首都・キト旧市街を観光しました。
まずは聖フランシスコ教会から。この教会前広場は面積が大きい割にがらんとしていた。観光客や地元の人で賑わっている様子を想像していたのだけれど。朝一番だったからか、暇そうなパラソルの物売りやちらほら散歩客がいる程度で本当に静かだった。
教会内に入ると、正面の祭壇は金ピカの派手派手装飾で、いくつもの精巧な彫像の指さす先には磔にされたイエスと聖母マリアの像があった。祭壇だけでなく、天井まで豪華なパターン装飾で埋め尽くされ、要所要所には宗教画や花柄が描かれていた。
ちなみに、広場周辺にはおもちゃ屋さんがやけにたくさんあり、それぞれ店先に大きなピニャータを吊るしていた。祝日が近かったのか普段からそうなのかは分からなかったが、ピニャータを見てふとラテンアメリカに来たことを実感。
次に見たのはラ・コンパニア教会というこれまた権威ありそうな立派な教会で、ゴシック様式の壮麗な外見もさることながら、金色の彫刻で埋め尽くされた室内装飾もまさに見事だった。ここではさすがに圧を感じて写真は撮らなかった。教会の椅子に座って休憩しながらひたすらあたりを見つめているのは心地が良かった。
次に向かったのはヴォト国立大聖堂という巨大な大聖堂。大聖堂までの道のり自体はほぼ直線で単純、迷う心配はない。ただし、鬼のような傾斜の坂道を延々と登らされる。薄暗い堂内に並ぶステンドグラスが静かに光を通す様子はなんとも美しい。
比較的落ち着いた室内装飾に比べて、外観はいつまでも見ていられるほど凝りに凝った作り。
坂道を下って独立記念広場に戻ると、大統領府の前で何やら警察隊のセレモニーが行われていた。今度は博物館を兼ねたCatedral Metropolitana de Quitoに入る。ふらふらと歩き回っているうち、歴代司祭か何かの肖像画がずらりと並んだちょっと気味の悪い部屋や、司祭の衣装の数々が展示された部屋、木の梯子付きの小さな書斎などを見た。
しばらく見学してから中央の祭壇の前で休んでいると、ガイドの女性に話しかけられ、屋上に登ってみることに。ガイドさんが小さなドアを開けると、そこには石造りの螺旋階段があった。あまりに狭く急なので、屋上に出た時には息切れしていた。屋上からの眺めは最高！
教会見学後は、ベンチに座って路上ライブを聴きながら休憩。今度は路線バスに乗ってQuicentro Surなるショッピングセンターへ。食べることを忘れていて、16時を回ってからようやく今日最初の食事を口にした。少しだけのつもりで頼んだら、2人前以上の量が出てきてしまった。
服屋などを見ていると、モール内に突然物凄い轟音が鳴り響き始めた。何事かと思ったら、雨がモールの屋根を激しく打ち付ける音だった。雹が降っているかと思うほど大きな音だった。雨が止むまで待ったため日が暮れてしまい、まずいなと思いつつモールの前でバスに乗る。
キトゥンべバスターミナルで下車。エクアドル第二の都市クエンカ行の夜行バス(14ドル)に乗る。しかし、後になって夜行バスに乗ったこと自体を後悔する結果となった。
ここ3日間の連続フライトでほぼ睡眠が取れていなかった筆者は、バスの座席に座った途端に寝落ち。足元に隠した荷物のセキュリティなど意味をなしていなかった。次に気が付くと、隣のおじさんがバスを降りて行ったところで、私のショッピング袋と現金が消えていた。（治安の悪さを知っていながら寝落ちした私も悪いけど。。）
カード類は、一度手を付けた後後別の場所に戻されていた。きっとおじさんは暗闇の中で私の荷物を漁ってしれっと去ったのだろう。自分で車内で歩いて乗客の荷物を見てみたが、私のショッピング袋は無かった。それにしても、スマホとパスポートが残っていたのは不幸中の幸いだった。
とにかく急いでクレジットカードを利用停止にした。次にバスが停車したタイミングで運転手に声をかけ、事情を全て話した。運転手のおじさんは補佐のおじさんに情報共有し、バスの乗客全員の座席を確認しに行ってくれた。しかし、やはり車内には何も見当たらず、運転手のおじさんは私を憐れんで、新しい財布やコーヒーを買ってやろうかと申し出てくれた。初めて盗難にあったショックで正直そんな気分ではなかったので有難くも遠慮した。
まあ、怪我をさせられたり殺されたりしなかったことは本当にラッキーだった。
でも悲しいし、怒りと悔しさも湧いてくる。
皆さん、海外では周囲に気を付けるだけでなく、絶対に外で寝ないように気を付けて下さい。容赦なく持って行かれます。
