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[キルギス旅] アルティン・アラシャン | トレッキング一日目

2022年9月の旅行記。大学四年生の夏休みの大冒険。

 

この日はアルティン・アラシャンに向けてカラコルを出発しました。

 

昨日調達してきたトマトと白湯を朝食に、荷物を一部預けて宿を出る。

朝食。

まずは水と食料を手に入れるべく、街を歩く。何やらまた一際大きなバザールに迷い込み、先日無くした帽子の代わりに新しい帽子を購入(350ソム)。日差しの強い屋外では帽子の有無でかなり体力の消費度が違う。

 

それからここでは珍しいスーパーに入り、3Lの水とチョコレートバーとナンを購入。

登山に行く人の食糧のNG例。

 

 

買い物を終えてバス停に行く途中、小猫を見つけた。

日本まで連れて帰りたかった。

 

子猫に別れを告げてバス停へと向かったが、待てど待てどバスは来なかった。それどころか、バス停の表示もなく、バスを待つ人もいなかった。もしやここはバス停じゃないのかと思っていると、私の乗る予定のバスが目の前を通り過ぎていった。

 

慌てて追いかけると、200メートルほど先にしっかりとしたバス停があった。ここでまた20分程待っただろうか。ようやくやってきたアクスー村行きのマルシュに乗り込み、GPSを確認しながらマルシュに揺られた。

 

隣にいた18歳くらいの男の子に運賃を聞くと、なんと何も言わずに私の運賃を払ってくれた。上質そうな洒落たスーツを着ていて姿勢も良かった彼は、お育ちの良い青年に見えた。Google翻訳を使って食事に誘われるも、登山の予定は変えられないので断わる。

 

バスを降りてどうにかアルティン・アラシャンの登山口に辿り着き、片道約15kmのトレッキングを開始した。しばらく歩いていると茶色の犬が現れ、パンのかけらを与えたら隙をつかれてパンをまるごと奪われた。変に抵抗して野犬に噛まれるのも嫌だったので犬がパンをあっという間に平らげるのをただ見ている他なかった。

登山口。

パン泥棒。

こんな道をひたすら行く。

歩いていると、車が一台ガタゴトとやってきて、一緒に乗るように言われた。3人の男性が乗っており、うち一人は英語ができたので、道中は色々話をした。車はどんなに荒い道でも構わず進み続け、明らかに無理であろう石のごろごろ転がった道も強引に突破した。しかも、比較的平らな道が谷側すれすれにあるものだから車も谷側すれすれを走り、私はいつか落っこちやしないかと少し不安だった。

 

あっという間に目的の集落に着いて埃だらけのオンボロ車を下りると、一気に冷たく新鮮な空気が全身を包んだ。麓ではまだまだ暑かったはずなのに、アルティン・アラシャンでは肌寒く感じるほどだった。

美。

ここから宿探しへ。川向うの2つの宿は真っ暗で誰もいなかった。次に見た茶色の立派なログハウスは、2食とシャワー含めて1850ソムと高値だったため、次の宿へ。

 

次の宿は、英語のできる男性スタッフがいるElza guesthouseという所で、部屋代だけなら700ソムだというのでここに決めた。有料の温泉もあったが、私は水着も持っていなかったし、衛生面が信用できなかったのでやめておいた。

ぽつりぽつりと宿がある。

宿の食事小屋に入ると、長テーブルにはロシア語を話す外国人グループが座っていて、手前には韓国人のおばあちゃんが一人で座っていた。同年代の友達8人と一緒にハイキングに来たらしい。英語に加えて独学したらしいロシア語もちょっと話せる彼女は、70代とは思えないほど活発だった。若い頃の写真やご両親の写真も見せてくれた。その後ハルモニは荷物を持って滝へ向かって出かけていった。

 

することもないので、2時間ほど集落を散策して時間を潰した。村には人よりも牛や馬のほうが圧倒的に多く、馬に乗った現地の人が鞭を鳴らしながら犬と一緒に家畜を追いかけている様子はまさに遊牧民の姿そのものだった。放牧犬も立派に仕事をこなしていて流石に賢い。

 

村の右側には大きな川が轟々と音を立てて流れていた。水は氷河のように青く、大きな岩に当たって激しく砕けていた。

手作り感満載の橋。

緑の芝生に覆われた集落とそれを囲む巨大な山々、点在する白いユルトの群や小さな山小屋、丘の上に生えた低木や草を食む動物達、それらの全てが見事な景観を作り出していた。空は青すぎるほどに青く、冷えた空気が気持ち良かった。

 

丘の上に座ってしばらく休んでいた筆者も、いよいよ寒さに耐えきれなくなり部屋に戻った。キルギスでは8時前まで明るいのに、こんな景色の良い所でずっと部屋に篭もっているのは勿体ないのだが、あまりの寒さにベッドから出ることができなかった。仕方がないので日記を書いて、夜が来るのを待った。

Elza guesthouseの室内。

8時半頃になって、例の男性スタッフが私の部屋を訪れてきた。夕食を食べにおいでと言われ、凍えながら食事小屋に移動した。じゃがいも等の野菜と肉の煮込みスープを振る舞ってもらった。男性スタッフのお気に入りの料理だという。本来なら夕食は有料オプションのはずなので、お金のない私を不憫に思ったスタッフが残り物を出してくれたのかもしれない。

生き返った。

 

丁寧にお茶まで出してもらい、エルザとその甥っ子も交えて話をした。隣のテーブルにいたロシア人観光客二人とキルギス人とも少し喋った。お茶のおかわりをもらって、また凍えながら小屋に戻った。この時は男性スタッフがライトを持って部屋まで送ってくれた。この晩はスマホの充電も切れてしまい、さっさと就寝。